美術モデルという仕事

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美術モデルには着衣とヌードの2種類があり、
どちらかをやっている人とどちらもやっている人がいます。
私は美術モデル歴20年になりますが、どちらのお仕事も受けています。
仕事先は芸術系大学、画塾、民間の絵画サークル、個人など様々です。

美術モデルになる方法

基本的にはモデル派遣業を行っている事務所に登録して、
そこから仕事をもらうという形になります。
今ではSNSを使って個人でお仕事募集もできますが、
密室で初対面の人の前で裸になるのは危険です。
そういう意味でもまずは事務所を通して仕事をしてください。

各地の主な美術モデル事務所

【関東】
プールヴーモデル紹介所
北村美術モデル紹介所 

【東海北陸】
株式会社アートモデル 
株式会社美術モデル金沢 

【関西】
株式会社KMK 

【中国四国】
広島市立大学 
岡山コスモエイブル 

【九州】
アートモデルエージェンシー 


モデルを雇う基準は事務所によると思います。
ある程度の体型維持は必要です。
ファッションモデルのように体型の基準があるわけではないので、
美容体型を基準に考えて太っていることを気にする必要はありません。

日本画、洋画では痩せているよりは、
柔らかい体のラインを求められることもあります。
むしろ極端に痩せている方が描きにくいと言われることもあり、
仕事先によって好まれる体型があります。
なので気にすべきは、健康でいられる体を維持することです。

上の一覧にウェブサイトを持っている事務所をあげましたが、
各地域にウェブサイトを作っていない個人事務所もあります。
事務所ではないけれど、画塾やサークルで募集している場合もあります。
いちばんいいのは、住んでいる地域でモデルの仕事をしている人から様子を聞いて紹介してもらうというルートです。

美術モデルの給料

気になるお金のことですが、仕事先によって差はあります。
3時間の裸婦で11000〜18000円が相場です。
着衣だとその7割くらいになります。

交通費は出るところと出ないところがあって、それは事前に知らされます。
月収は人によりますが少ない月で10万を切り、多い月で20万程度稼げます。
住んでいる地域によって仕事の量にも差があり、
やはり関東、東京は仕事量が圧倒的に多いです。
関西では美大の多い京都や大阪、画家の多い神戸など。

仕事の内容

仕事内容は言うまでもなくポーズを取ることです。
1回のお仕事は基本的には2〜3時間。

2時間なら20分ポーズを4回
3時間なら20分ポーズを6回

ポーズの間に10分の休憩が入る、というスケジュールがベースになります。
仕事先によっては休憩が5分のところもあります。
この20分のサイクルで行うものは「固定ポーズ」と呼ばれ、同じポーズを繰り返し行います。

なので、毎回大体同じポーズを取れることが大原則です。
ただし、人間なので、ポーズには毎回若干の誤差が生じます。
当然です、生き物だもの。

特に描き手の方が初心者だとポーズの誤差に惑わされるので、ズレを指摘してくる人がいます。
許容して修正できる人はつまり、人体の構造をある程度わかっている経験値のある人は細かいことは仰いません。

固定ポーズともう一つは短時間で体の動きを捉える勉強をする「クロッキー」です。
クロッキーでも20分が1セットなのですが、
10分2回、とか5分4回というふうにポーズ時間を割って、
ポーズをどんどん変えていきます。
短いポーズは2分、1分というのもあって、ポーズする方も描く方も必死です。
アニメーションなどを勉強される場合、このクロッキーがしっかりカリキュラムに組み込まれているところが多いです。

また、着衣の場合だと、季節によって浴衣とか水着のオーダーがくることもあります。あとはバレリーナ、民族衣装などのコスチューム。
メイド服なんてオーダーもありました。

モデルに求められること

仕事の内容としては上記のようなものなので、
まず20分を6回、同じ体勢を繰り返して立ち続けることができる筋力、体力、忍耐力が必要です。
そして柔軟にポーズを展開できる能力です。
ポーズには立、座、寝と大きく分けると3種類あり、クロッキーの時はそれらをバランスよく組み合わせます。
描き手はモデル台を囲んでいるときと、半円形、対面の場合もあって、正面が偏らないように角度を変えながらポーズをします。

これらはやっていれば身につくものです。
もともと絵画が好きで、絵をよく知っている人ならポーズのアイデアも浮かびやすいと思います。
あとは基本ですが、代わりが効かない仕事なので遅刻をしない人ですね。

美術モデルにはこんな人が向いてる

ダンサー、俳優、バレリーナ

モデルをしている人で多いのは、演劇やダンスなどの舞台芸術に関わっている方、実際に自分も描いている方です。
見られることや美術の現場にある程度慣れている人で、ダンサーならバリエーション豊かなポーズができます。

モデル中は表情は特につけないのが一般的ですが、
無表情にも無表情の作り方があるので、俳優さんならそのあたりが上手です。
人気稼業という側面もあるので、たくさん指名がつけば仕事は増えるのですが、何かしら他の人にはない魅力を備えた人の方が長く続くし向いていると言えます。

仕事以外の時間を確保したい人

また別の意味で向いている人は、仕事に長時間拘束されたくない人です。
さっき書いたように1回の仕事時間は2〜3時間、行く仕事場によって往復の時間はかかりますが、それでも8時間働くことを思えば時間の自由があります。
ただし安定した仕事ではないので、そこはどちらを取るかです。

黙っている時間が平気な人

これは結構重要かも知れません。
ポーズ中は基本的に話さないので、
仕事中は休憩時間以外ほぼ黙ったままになります。
お喋りが好きな人、黙っているのに耐えられない人、
黙っていると眠くなる人はひたすらに辛いと思います。

美術モデルになる場合の注意点

女性のモデルは月に一度生理が来ます。
生理前後の心身に波がある、生理痛がひどいという人も多いけれど、
それでも週に何度か通う固定ポーズの仕事があればいきます。
なのでタンポンを使えない人はこの仕事は難しいかと思います。

もしそれでもモデルの仕事をやりたい場合は、産婦人科で低用量ピルを処方してもらって、周期とPMSの症状を整えてからの方がいいでしょう。
周期が整っていれば、生理の時期にヌードの仕事は入れないようにスケジュールできます。

そして体調には常に気をつけて、食事や生活に気をつけることです。
貧血で立ちポーズ中に卒倒したモデルさんがいたと聞いたことがあります。
どんな仕事でもそうですが、自己管理と責任感が必要です。

見られることで体に対する意識も自ずと上がります。
肌をきれいに保つこと、
お風呂上がりにはボディクリームや良質のオイルでケアすることは長年私の習慣です。 

芸術制作を前提としていても、人前で裸になるということは無防備なことです。
描く方もそれをわかっていらっしゃるのでその辺り、モデルには気遣いをしてくださるところが大半です。

でも例え大勢で描いていても、自分の前で裸になれる人、ということで妙な親近感を抱いて、必要以上に話しかけてくる人もいます。
そういうときは、突き放しすぎず、あまり相手にしないように対処しましょう。

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畑山 紫
ライター

畑山 紫
(はたけやま むらさき)
ライター。植物とお茶、香りのするものが特に好き。
ビザールプランツの実生記録を主に投稿していきます。

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